逆関数とは

逆関数とは、ある関数 f(x)f(x) に対して、その入力と出力を逆にする操作を行った関数のことを言います。具体的には、f(x)f(x) の値が yy のとき、y=f(x)y=f(x) を満たす xx を求めることで、逆関数 f1(y)f^{-1}(y) を定義します。

逆関数の定義には、次のような制約があります。

  • f(x)f(x) は単射である必要がある(つまり、異なる x1,x2x_1, x_2 について f(x1)f(x2)f(x_1) \neq f(x_2) であることが保証されている)
  • f(x)f(x) の定義域と値域を入れ替えた新しい関数を考える

逆関数は、一般に f(x)f(x) の制約や形状によって存在しない場合があります。また、逆関数が存在する場合でも、その形状や特性は f(x)f(x) と異なる場合があります。

逆関数の求め方

逆関数を求めるには、次の手順を行います。

  1. f(x)f(x) の式を y=f(x)y=f(x) と置き換える
  2. y=f(x)y=f(x)xx について解く
  3. yyxx を入れ替えた式を得る
  4. 入れ替えた式を f1(y)f^{-1}(y) と表記する

例えば、f(x)=2x+1f(x) = 2x+1 の逆関数を求める場合は、以下のように行います。

  1. f(x)f(x) の式を y=f(x)y=f(x) と置き換える:y=2x+1y=2x+1
  2. y=2x+1y=2x+1xx について解く:x=y12x=\frac{y-1}{2}
  3. yyxx を入れ替えた式を得る:y=x12y=\frac{x-1}{2}
  4. 入れ替えた式を f1(y)f^{-1}(y) と表記する:f1(y)=y12f^{-1}(y) = \frac{y-1}{2}

こうして求めた逆関数 f1(y)f^{-1}(y) は、f(x)f(x) と入力と出力が逆転した関数であるため、f1(f(x))=xf^{-1}(f(x))=x が成立します。

逆関数の性質

逆関数には、以下のような性質があります。

  • f1(f(x))=xf^{-1}(f(x))=x が成立する
  • f(f1(y))=yf(f^{-1}(y))=y が成立する
  • f(x)f(x) が単調増加関数(単調減少関数)であれば、f1(y)f^{-1}(y) も単調増加関数(単調減少関数)となる
  • f(x)f(x) が凸関数(凹関数)であれば、f1(y)f^{-1}(y) も凸関数(凹関数)となる

逆関数の例

例えば、f(x)=exf(x) = e^x の逆関数は、f1(y)=lnyf^{-1}(y) = \ln y となります。これは、指数関数が単射かつ凸関数であるため、逆関数が存在し、かつ凸関数となるためです。

また、f(x)=x2f(x) = x^2 の逆関数は存在しないため、逆関数は表記できません。これは、f(x)f(x)x=1x=1 以外で単射でないためです。

リンク

Inverse function[EN]