対数の性質の証明

対数の加法定理・積と商の公式・低の変換公式の証明

このページでは、対数の記事中に現れる定理の証明を行います。

対数の定義は何度も用いるため下記に記載します。

対数の定義と性質

$A,X,Y \in \mathbb{R}, \space A > 0かつ A \neq 1,X>0$とすると

ここで $Y>0$のとき、左側の等式を $Y$ についての式とみて、右側の等式の$Y$へ $\log_AX$を 代入すると

が成り立つ。

対数の加法定理

証明:
証明は以下の3ステップで行う。

• ステップ1:
  $a^{\log_{a}xy} = xy$
  であることを示す

• ステップ2:
  $a^{\log_{a}x + \log_{a}y} = a^{\log_{a}x} \cdot a^{\log_{a}y} = xy$
  であることを示す

• ステップ3
  ステップ1とステップ2の右辺が同じであることを用いて、対数の加法定理が成り立つことを示す

ステップ1：

対数の定義により、$a^{\log_{a}xy} = xy$。
（(1)式で$A=a,Y=xy$とおいた）

ステップ2：

指数法則
$a^{m} \cdot a^{n} = a^{m+n}$
を使って、$a^{\log_{a}x + \log_{a}y}$ を計算する。

$a^{ \log_ax + \log_ay } = a^ {\log_ax} \cdot a^{\log_{a}y}$

ここで対数の定義より、$a^{\log_{a}x} = x$および$a^{\log_{a}y} = y$であるため、これを上記の式に代入すると、

ステップ3：

ステップ1とステップ2を比較すると、以下のようになる。

これらの式の右辺が等しいことから、

となり、対数の加法定理が示された。
$\square$

対数の積の公式

証明:
$\log_ax=p$と置くと、
対数の定義より$x = a^p$が成り立つ。ここで$x^k$を考えると

対数の商の公式

証明:
$\log_ax=p,\log_ay=q$と置くと、
対数の定義より$x = a^p,\space y=a^q$が成り立つ。ここで$\frac{x}{y}$を考えると

底の変換公式

証明:
$\log_ax=y$と置くと、

リンク