対数とは

対数(たいすう)とは、ある数を別の数に変換する操作の一つであり、その変換によって得られた数を対数と呼ぶ。一般に、底と呼ばれる正の数を指定して、その底を何乗したら元の数になるかを求める。

例えば、23=82^3=8 であるから、88 の底 22 の対数は 33 となる。

対数の表記法

対数を表す際には、下記のような表記法が用いられる。

logax\log_{a}x

この場合、底 aa を指定して、xx の底 aa の対数を表す。

例えば、22 を底とする対数の場合、下記のように表記する。

log2x\log_{2}x

底が 1010 の場合は底を省略して、以下のように表記されることが多い。

logx\log x

対数の性質

対数には、以下のような性質がある。定理・証明の証明はこちら

対数の加法定理

logaxy=logax+logay\log_{a}xy = \log_{a}x + \log_{a}y

対数の積の公式

logaxk=klogax\log_{a}x^k = k\log_{a}x

対数の商の公式

logaxy=logaxlogay\log_{a}\frac{x}{y} = \log_{a}x - \log_{a}y

底の変換公式

logax=logbxlogba\log_{a}x = \frac{\log_{b}x}{\log_{b}a}

対数の応用

対数は、様々な分野で応用される。

対数関数

対数関数は、下記のような一般的な形式を持つ。

y=logaxy = \log_{a}x

この式において、aa を底とする xx の対数を yy とすることで、xx の値域を 00 より大きい実数に制限することができる。また、aaee(ネイピア数)とする場合は、自然対数関数と呼ばれる。

対数の意義

対数は、指数関数と逆関数の関係にあるため、指数関数が表す増加度合いを対数に変換することで、その増加度合いを直感的に理解することができる。また、対数を用いることで、非常に大きな数や小さな数を扱いやすくなることがある。

案例:RSI(Relative Strength Index)

RSIは、株価の相対的な強さを表す指標の一つであり、以下のような式で計算される。

RSI=1001001+平均上昇幅平均下落幅RSI = 100 - \frac{100}{1 + \frac{\text{平均上昇幅}}{\text{平均下落幅}}}

この式では、平均上昇幅と平均下落幅を求める際に、対数を用いた計算が行われる。

リンク

Logarithm[EN]
対数関数