双曲線関数とは、y=sinhxy=\sinh x および y=coshxy=\cosh x のように、双曲線を用いて定義される関数のことです。双曲線関数には、sinh\sinhcosh\coshtanh\tanhcoth\coth\sech\sech\csch\csch の6つがあります。それぞれの関数について順に説明していきます。

sinhx\sinh x (ハイパボリックサイン)

sinhx\sinh x は、y=exex2y=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

sinh_x

sinhx\sinh x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、上に開いた双曲線のような形をしています。xx が大きくなるにつれて、sinhx\sinh x の値も大きくなります。

coshx\cosh x (ハイパボリックコサイン)

coshx\cosh x は、y=ex+ex2y=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

cosh_x

coshx\cosh x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、下に開いた双曲線のような形をしています。また、xx が大きくなっても coshx\cosh x の値は無限に大きくならず、y=1y=1 に収束していきます。

tanhx\tanh x (ハイパボリックタンジェント)

tanhx\tanh x は、tanhx=sinhxcoshx\tanh x=\dfrac{\sinh x}{\cosh x} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

tanh_x

tanhx\tanh x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、S字の形をしています。x=0x=0tanhx=0\tanh x=0xx が大きくなるにつれて tanhx\tanh x の値も大きくなり、x±x\rightarrow \pm \inftytanhx\tanh x の値は ±1\pm 1 に収束していきます。

cothx\coth x (ハイパボリックコタンジェント)

cothx\coth x は、cothx=coshxsinhx\coth x=\dfrac{\cosh x}{\sinh x} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

coth_x

cothx\coth x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、上下対称になっています。x=0x=0 では発散し、xx が大きくなるにつれて cothx\coth x の値も大きくなっていきます。

\sechx\sech x (ハイパボリックセカント)

\sechx\sech x は、\sechx=1coshx\sech x=\dfrac{1}{\cosh x} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

sech_x

\sechx\sech x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、下に開いた双曲線のような形をしています。x=0x=0\sechx=1\sech x=1xx が大きくなるにつれて \sechx\sech x の値も小さくなっていきます。

\cschx\csch x (ハイパボリックコセカント)

\cschx\csch x は、\cschx=1sinhx\csch x=\dfrac{1}{\sinh x} と定義されます。グラフを描くと以下のようになります。

csch_x

\cschx\csch x のグラフは、原点を中心に左右対称であり、上に開いた双曲線のような形をしています。x=0x=0\cschx\csch x が発散し、xx が大きくなるにつれて \cschx\csch x の値も小さくなっていきます。

双曲線関数は、三角関数と同様に様々な数学分野で活躍し、特に微積分や微分方程式の解法でよく使用されます。また、物理学や工学などの応用分野でも広く用いられています。

リンク

Hyperbolic functions[EN]