ベルヌーイ数(Bernoulli number)とは、数学において重要な数列の1つで、特殊な関数であるベルヌーイ数関数の係数として現れる数です。スイスの数学者ヤコブ・ベルヌーイが18世紀に研究したことから名前が付けられました。
ベルヌーイ数は1つの漸化式によって定義され、以下のように表されます。
B0=1,B1=−21,B2n+1=0(n≥1)
B2n=(2π)2n(−1)n−12(2n)!k=0∑n(2k)!(2n−2k−1)!(−1)k(2n−2k)!B2k
ここで、nは自然数、B2n+1は奇数番目のベルヌーイ数であり、B2nは偶数番目のベルヌーイ数です。
ベルヌーイ数は、数学の様々な分野で現れます。例えば、解析数論においては、リーマンゼータ関数の非自明な零点に関するリーマン予想を解明するために重要な役割を果たしています。また、代数幾何学や位相幾何学においても、特殊な関数の特徴付けや、ベクトル場の不変量として重要な役割を果たしています。
ベルヌーイ数は、様々な性質を持っています。例えば、以下のような性質が知られています。
・B2nは2n次の多項式で表される。
・B2n+1=0である。
・Bnは、nが奇数の場合には負であり、nが4以上の偶数の場合には正である。
・B1=−1/2であり、Bnの絶対値はnが3以上の場合には1より小さい。
・等差数列の和に関する公式や、スターリング数との関係式など、さまざまな公式が存在する。
以上が、ベルヌーイ数についての概要となります。ベルヌーイ数は広い範囲で応用されており、数学の様々な分野において重要な役割を果たしています。