フィボナッチ数

フィボナッチ数(Fibonacci numbers)は、以下のような規則で定義される数列である。

F0=0,F1=1,Fn=Fn1+Fn2 (n2)F_0 = 0,\quad F_1 = 1,\quad F_n = F_{n-1} + F_{n-2}\ (n \geq 2)

この数列は「1つ前とその前の数の和」という形で成り立ち、以下のように始まる。

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 0,\ 1,\ 1,\ 2,\ 3,\ 5,\ 8,\ 13,\ 21,\ 34,\ \dots

フィボナッチ数の性質

黄金比

フィボナッチ数列において、ある数 FnF_n とその前の数 Fn1F_{n-1} の比 Fn/Fn1F_n/F_{n-1} が漸近的に定まる値に収束することが知られている。その比の値は以下のようなものである。

limnFnFn1=1+521.6180339887\lim_{n\to\infty} \frac{F_n}{F_{n-1}} = \frac{1+\sqrt{5}}{2}\approx 1.6180339887\cdots

この値を「黄金比」と呼び、ϕ\phi と表す。黄金比は美術、建築、音楽などで美的効果や調和を生み出すことが知られている。

選好事象

フィボナッチ数列は、幾何学的な選好事象(選好の向きや順番が結果に影響する事象)のモデルとして利用されることがある。例えば、以下のような例がある。

長さ 11 の線分の上に、同じ長さの線分を2つ並べ、最初の線分の全体に重ねる。そして、右側の線分と接する地点を頂点とした正三角形を描く。同じことを、左側の線分についても行う。そして、左側の正三角形の上辺を連結し、右側の正三角形の下辺を連結する。

すると、この図形の高さを 11 としたとき、図形の底辺は Fn+2F_{n+2}、図形の高さは Fn+1F_{n+1} に比例する。これは、図形を構成する部分がフィボナッチ数列のように増加することによるものである。

フィボナッチ数列と正三角形

その他の性質

  • FnF_n は、nn が大きくなるほど指数関数的に増加する。
  • FnF_n は、5\sqrt 5 を含む形で解を持つ2次方程式 x2x1=0x^2 - x - 1 = 0 の解の一つである。
  • Fn+k=FkFn+1+Fk1FnF_{n+k} = F_k F_{n+1} + F_{k-1} F_n (フィボナッチ恒等式)が成り立つ。

リンク

Fibonacci number[EN]