巡回セールスマン問題 (Traveling Salesman Problem) とは、複数の都市をすべて巡回し、最短の距離を旅する経路を求める問題のことです。
例えば、10個の都市があり、それぞれ異なる距離で結ばれているとします。これらの都市を巡回する最短の経路は何でしょうか。このような問題を解くためには、あらかじめすべての都市間の距離を計算し、全ての可能な経路を試し、最短のものを選ぶ必要があります。
しかし、都市が増えれば、全ての可能な経路の数は爆発的に増えるため、計算量が膨大になります。この問題は、NP完全問題に分類され、現在のところ最適解を求めるアルゴリズムは存在しません。
そのため、実用上は、近似解を求めるアルゴリズムが用いられます。代表的なアルゴリズムとしては、最近傍法、最小全域木法、2-opt法などがあります。これらのアルゴリズムはどれも近似解を求めることができますが、最適解を保証するものではありません。
また、巡回セールスマン問題は、物流や配送の最適化、回路基板の設計など、様々な分野で応用されています。
以上が、巡回セールスマン問題についての概要です。