ケーニヒスベルクの橋の問題は、18世紀にドイツの数学者レオンハルト・オイラーによって提起された問題であり、グラフ理論の基礎となる問題のひとつとして知られています。
問題の内容は、プロイセンの都市ケーニヒスベルクには、川に架かる7つの橋があります。この都市に住む人々は、全ての橋を渡って、市内を散歩したいと願っていました。しかし、橋の形状や位置などにより、この願望を叶えることはできないと考えられていました。オイラーはこの問題を解くことで、グラフ理論の基礎を築きました。
この問題を解くために、オイラーは橋を線でつなぎ、各橋を点で表すことで、橋の状態をグラフとして表現しました。そして、このグラフが全ての点が奇数次数を持っているため、オイラー路(一筆書き)が存在しないことを示しました。この結果、橋を渡り切って市内を散歩することは不可能であることが証明されました。
この問題の解法は、現代のグラフ理論の基礎となるものであり、グラフの奇数次数の点の数が2つ以下であれば、オイラー路が存在することが知られています。また、この問題は、グラフ理論のみならず、数学的帰納法や証明の方法論など、数学全般に応用される問題としても有名です。
今日では、ケーニヒスベルクの橋の問題は、グラフ理論の入門問題として、また、数学史上の名問題として取り上げられています。