【ミレニアム懸賞問題とは】

ミレニアム懸賞問題は、クレイ数学研究所が2000年に提唱した数学の未解決問題のことです。7つの問題が挙げられており、未解決であることが認められた場合に100万ドルの報酬が贈られます。

【ミレニアム懸賞問題の問題】

  1. P vs NP問題

    • 問題:
      PとNPは、計算量クラスの一種である。Pは多項式時間で解ける問題、NPは非決定性多項式時間で解ける問題のことである。P vs NP問題とは、NP問題がPに含まれるか否かを問う問題である。
    • 現状:
      未解決。NP困難問題の解法が見つかれば、多数の現実問題を解決できる可能性があるため、情報科学にとって極めて重要な問題とされている。
  2. リーマン予想

    • 問題:
      リーマン予想とは、リーマンゼータ関数の複素数解全体が、実部が1/2である直線上にあるという予想である。
    • 現状:
      未解決。解決すれば、素数分布に関する新たな知見が得られるため、数学の基礎理論を変える可能性がある。
  3. ポアンカレ予想

    • 問題:
      ポアンカレ予想とは、3次元球面上のある概念である「閉じた曲面」が、トーラスと同相であるかどうかを問う問題である。
    • 現状:
      2003年にパース・ペルマンによって証明されたため、解決済みである。
  4. ヤン-ミルズ理論の存在と質量格子

    • 問題:
      ヤン-ミルズ理論の存在と質量格子問題とは、量子色力学における質量の起源に関する問題である。
    • 現状:
      未解決。この問題の解決により、素粒子物理学における未解決問題のひとつである質量の起源が解明される可能性がある。
  5. ナビエ-ストークス方程式

    • 問題:
      ナビエ-ストークス方程式とは、流体の運動を表す方程式である。ナビエ-ストークス方程式には、一般に解析的な解が存在しない。
    • 現状:
      未解決。流体力学の基礎的な問題であり、数学的に重要な問題である。
  6. ビルソン予想

    • 問題:
      ビルソン予想とは、ある種の楕円曲線に対して、非常に特殊な有理点が存在するという予想である。
    • 現状:
      未解決。この問題の解決により、楕円曲線暗号における安全性が改善される可能性がある。
  7. ハーウィッツ予想

    • 問題:
      ハーウィッツ予想とは、楕円曲線上の有理点のランクが、ある指数関数的な増加率で上昇するという予想である。
    • 現状:
      未解決。この問題の解決により、暗号理論に関する新たな知見が得られる可能性がある。

【まとめ】

ミレニアム懸賞問題は、現代数学の難問であり、未解決問題が残ることから、今後も研究が進められることが予想されます。解決された問題については、新たな知見が得られる可能性があるため、数学の発展に大きく貢献する問題です。

リンク

millennium prize problems[EN]