オイラーの公式とは、三角関数と指数関数の間の関係を示す公式であり、以下のように表されます。

eix=cosx+isinxe^{ix} = \cos x + i\sin x

ここで、eは自然対数の底であり、iは虚数単位です。この公式は、eの指数関数と角度xに対する三角関数(正弦と余弦)の関係を表しています。具体的には、xをラジアン単位で与えた場合、e^{ix}の実部が\cos xに等しく、虚部がi\sin xに等しいことを示しています。

オイラーの公式は、複素数平面上で三角関数と指数関数の関係を示すものであり、複素平面上の角度を指定することで、それに対応する三角関数の値を求めることができます。また、オイラーの公式は、物理学、工学、数学などの様々な分野で広く使用されています。

オイラーの公式には、いくつかの応用があります。例えば、e^{ix} = e^{-i(-x)}であることから、オイラーの公式を用いることで、負の角度についても三角関数の値を求めることができます。また、複素平面上において、e^{ix}の絶対値は常に1であることから、三角関数の周期性についても説明することができます。

さらに、オイラーの公式を用いることで、フーリエ級数やフーリエ変換の理論においても重要な役割を果たしています。例えば、周期Tを持つ関数f(x)について、そのフーリエ級数展開は以下のように表されます。

f(x)=n=cnei2πTnxf(x) = \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_ne^{i\frac{2\pi}{T}nx}

ここで、c_nは複素数であり、それぞれのnに対応する周波数を持ちます。また、この式はオイラーの公式を用いることで以下のように書き換えることができます。

f(x)=n=(an+ibn)(cos2πTnx+isin2πTnx)f(x) = \sum_{n=-\infty}^{\infty} (a_n + ib_n)(\cos \frac{2\pi}{T}nx + i\sin \frac{2\pi}{T}nx)

このように、トリガー関数を含まない正弦・余弦関数を指数関数で表すことで、計算の簡略化が可能となります。

オイラーの公式は、数学の基本的な公式の一つであり、多くの分野で使用される重要なツールのひとつです。理論的な面だけでなく、実際の応用においても広く活用されています。

リンク

Euler's formula[EN]