ユークリッド幾何学とは、古代ギリシャの数学者ユークリッドが定式化した幾何学のことである。ユークリッド幾何学は、直感的な幾何学的な図形を用いて、論理的に正確な証明を導出することができる。ユークリッド幾何学は、現代の幾何学の基礎となり、数学的な証明の方法論に大きな影響を与えた。

ユークリッド幾何学では、点、直線、平面、角、円、三角形、四角形などの基本的な図形が定義されている。これらの図形は、ユークリッド幾何学の公理に基づいて操作され、証明される。

ユークリッド幾何学の公理は、以下のようになっている。

  1. 任意の2つの異なる点を結ぶ直線が存在する。
  2. 任意の2つの異なる点を通る直線はただ1つ存在する。
  3. 3つの点が同一直線上にある場合、その3点は一直線上に並ぶ。
  4. 2つの点を中心とし、その距離を半径とする円が存在する。
  5. 任意の直線上のある点から、その直線上のある別の点への距離を、その直線上のある1点からの距離と定義することができる。
  6. 任意の角度に対して、その角度と等しい角度が存在する。
  7. 直線と角度が与えられた場合、その角度に等しい角度が存在する。
  8. 任意の直線上の1点から、その直線上のある別の点への距離よりも短い距離で、その点から直線に垂直な線を引くことができる。

これらの公理に基づいて、幾何学的な定理が証明される。例えば、ピタゴラスの定理は、直角三角形の斜辺の長さを求める定理である。ユークリッド幾何学では、ピタゴラスの定理は次のように証明される。

  1. 直角三角形ABCがあるとする。
  2. 点Dを、BCの中点とする。
  3. 線分ADを引く。
  4. 三角形ABDと三角形ACDが直角三角形であることを示す。
  5. AB^2 + BD^2 = AD^2、AC^2 + CD^2 = AD^2を示す。
  6. AB^2 + AC^2 = 2AD^2を示す。
  7. AB^2 + AC^2 = BC^2を示す。

このように、ユークリッド幾何学では、公理に従って論理的な推論を行い、証明を導出することができる。ユークリッド幾何学は、現代の数学においても重要な役割を果たしている。

リンク

Euclidean geometry[EN]