コンピュータ化適応テストとは、テストの出題内容を受験者の能力に応じて自動的に調整することができる形式のテストのことです。

従来の紙ベースのテストでは、全ての受験者に同じ問題が提示されるため、受験者の能力差に応じた評価ができませんでした。一方、コンピュータ化適応テストでは、受験者の回答に応じて次の問題の難易度を調整することができるため、より正確な能力評価が可能になります。

コンピュータ化適応テストの最大の利点は、一つのテストで多様な能力レベルの受験者を評価できることです。例えば、一つのテストで初心者から上級者までを対象とした場合、従来の紙ベースのテストでは全ての受験者に同じ問題を出題する必要があります。しかし、コンピュータ化適応テストでは、受験者の能力に合わせて適切な問題を出題することができるため、正確な能力評価が可能になります。

また、コンピュータ化適応テストは、受験者の回答時間を短縮することができます。従来の紙ベースのテストでは、全ての受験者に同じ時間制限が与えられていたため、能力の高い受験者は余裕を持って回答することができる一方、能力の低い受験者は時間切れになってしまうことがありました。しかし、コンピュータ化適応テストでは、受験者の能力に応じて回答時間を調整することができるため、全ての受験者が適切な時間内に問題に回答することができます。

コンピュータ化適応テストの実現には、受験者の回答内容を収集・分析するためのアルゴリズムが必要となります。一般的には、IRT(Item Response Theory)という理論を基にしたアルゴリズムが用いられます。IRTは、受験者の能力と問題の難易度を統計的に分析することで、適切な問題を出題するためのアルゴリズムです。

コンピュータ化適応テストは、教育現場や企業の採用試験など、様々な場面で活用されています。特に、大規模な試験での利用が期待されており、従来の紙ベースのテストでは受験者数の増加に伴い、出題や採点に人的コストがかかっていましたが、コンピュータ化適応テストを利用することで、効率的かつ正確な評価が可能になるとされています。

リンク

Computerized Adaptive Testing[EN]