継承とポリモーフィズムについて

継承とポリモーフィズムは、オブジェクト指向プログラミングの基本的な要素です。これらは、コードの再利用を容易にするための便利な手段を提供します。

継承

継承とは、既存のクラスを基にした新しいクラスを作成することです。新しいクラスは、元のクラスのすべてのメソッドと属性を継承します。継承されたメソッドと属性は、新しいクラスでオーバーライドすることができます。

継承を利用することで、コードの重複を排除し、コードの再利用を容易にすることができます。また、既存のクラスの動作を変更することができるため、プログラムの修正にも役立ちます。

以下は、継承の例です。

class Animal: def __init__(self, name): self.name = name def speak(self): raise NotImplementedError("Subclass must implement abstract method") class Dog(Animal): def speak(self): return "woof" class Cat(Animal): def speak(self): return "meow"

この例では、Animalクラスを定義し、DogクラスとCatクラスがそれを継承しています。Animalクラスには、speak()メソッドがありますが、抽象メソッドとして実装されています。DogクラスとCatクラスでは、speak()メソッドをオーバーライドしており、それぞれwoofmeowを返します。

ポリモーフィズム

ポリモーフィズムとは、異なるクラスが同じメソッド名を持ち、異なる方法で実装されていることを指します。これにより、同じメソッドを使用することで、異なるクラスのオブジェクトを操作することができます。

以下は、ポリモーフィズムの例です。

def animal_speak(animal): print(animal.speak()) dog = Dog("Rufus") cat = Cat("Mittens") animal_speak(dog) # woof animal_speak(cat) # meow

この例では、animal_speak()関数を定義しています。この関数は、Animalクラスを継承したDogクラスとCatクラスのオブジェクトを引数に取ります。animal_speak()関数は、引数に渡されたオブジェクトのspeak()メソッドを呼び出し、返された値を表示します。

animal_speak()関数は、DogクラスとCatクラスのオブジェクトを引数に取ることができます。これは、DogクラスとCatクラスがAnimalクラスを継承しているため、speak()メソッドを持っているためです。animal_speak()関数は、引数に渡されたオブジェクトのクラスが何であろうと、speak()メソッドを呼び出すことができます。

まとめ

継承とポリモーフィズムは、コードの再利用を容易にするための重要な概念です。継承を利用することで、コードの重複を排除し、コードの再利用を容易にすることができます。また、ポリモーフィズムを利用することで、同じメソッドで異なるクラスのオブジェクトを操作することができます。これらの概念を理解し、適切に利用することで、効率的なコードの開発が可能となります。

リンク

Inheritance and polymorphism[EN]