微積分には様々な定理がありますが、ここでは微積分の定理の中でも特に重要なものを3つ紹介します。
積分の線型性
積分の線型性とは、定数倍や加法に対して積分が線型であることを示す定理です。具体的には、定数cに対して、
∫(cf(x))dx=c∫f(x)dx
また、関数f(x)とg(x)に対して、
∫(f(x)+g(x))dx=∫f(x)dx+∫g(x)dx
が成り立ちます。この定理は、積分の計算を簡単にするために用いられます。
積分と微分の関係に関する基本定理
積分と微分の関係に関する基本定理とは、積分と微分が逆演算であることを示す定理です。具体的には、関数f(x)が微分可能である場合、その不定積分F(x)を次のように定義します。
F(x)=∫f(x)dx
すると、F(x)を微分した関数f(x)と元の関数f(x)は等しいという式、すなわち
dxd∫f(x)dx=f(x)
が成り立ちます。この定理は、積分の計算を微分の計算に変換するために用いられます。
積分区間の変数変換に対する積分公式
積分区間の変数変換に対する積分公式とは、積分区間を変数変換することによって積分を簡単に計算することができる定理です。具体的には、積分区間[a,b]上の関数f(x)を、変数変換x=g(t)によってtからxに変換することを考えます。このとき、積分区間[a,b]上の積分は以下のように変換されます。
∫abf(x)dx=∫g−1(a)g−1(b)f(g(t))dtdg(t)dt
この定理は、積分区間が複雑な形をしている場合にも、積分を簡単に計算することができるようになります。
以上のように、微積分には様々な定理がありますが、この3つの定理は微積分の基礎として非常に重要なものです。