正接定理(せいせつていり、英: tangent identity)とは、三角関数の中でも特に正接関数に関する重要な公式のことを指す。この定理は、三角形の内角に関する等式を表すことができ、三角関数の計算において幅広く利用される。

正接定理は以下のように表される。

tan(a+b)=tana+tanb1tanatanb\tan(a+b) = \frac{\tan a + \tan b}{1-\tan a \tan b}

この式では、aabbなどは角度を示す変数であり、tan\tanは正接関数を表す。具体的には、aabbの値が与えられたとき、a+ba+bの正接関数を求めることができる。また、この定理を用いることで、三角形の内角に関する等式を導くこともできる。

この定理を証明するには、以下の式変形が必要となる。

tan(a+b)=sin(a+b)cos(a+b)=sinacosb+cosasinbcosacosbsinasinb=sinacosa+sinbcosb1sinasinbcosacosb=tana+tanb1tanatanb\begin{aligned} \tan(a+b) &= \frac{\sin(a+b)}{\cos(a+b)} \\&= \frac{\sin a \cos b + \cos a \sin b}{\cos a \cos b - \sin a \sin b}\\ &= \frac{\dfrac{\sin a}{\cos a} + \dfrac{\sin b}{\cos b}}{1-\dfrac{\sin a \sin b}{\cos a \cos b}}\\ &= \frac{\tan a + \tan b}{1-\tan a \tan b} \end{aligned}

このように、正接定理を用いることで三角関数の計算を簡単にすることができる。また、この定理を応用すれば、三角形の面積や周長、高さなど、多くの三角形に関する問題を解くことができる。

リンク

Law of tangents[EN]