『プリンキピア・マテマティカ』は、アイザック・ニュートンによる自然哲学の基礎となる著作であり、現代数学の基礎となる微積分学や力学の理論にも大きな影響を与えた。本稿では、『プリンキピア・マテマティカ』で述べられている数学原理について解説する。
- 自然数の公理
『プリンキピア・マテマティカ』の第1部では、自然数の公理について述べられている。自然数とは、1, 2, 3, ... といった一連の数のことであり、0を含まない。自然数の公理は以下の3つである。
1.1 単一性公理
任意の自然数a、bに対し、a=bならばb=aである。
1.2 積法則
任意の自然数a、b、cに対し、(a+b)c=ac+bcである。
1.3 数学的帰納法
任意の自然数nに対して、n=1のときP(1)が真であり、n=k(kは自然数)のときP(k)が真ならば、n=k+1のときP(k+1)が真である。
これらの公理によって、自然数の性質を厳密に定義することができる。
- 微積分学の基礎
『プリンキピア・マテマティカ』の第2部では、微積分学の基礎について述べられている。微積分学は、微小な変化に対する関数の振る舞いを研究する学問であり、現代数学の中でも最も基礎的な分野の一つである。
2.1 微分の定義
関数f(x)の微分係数f'(x)は、極限lim(h→0)(f(x+h)-f(x))/hとして定義される。
2.2 積分の定義
関数f(x)の積分は、区間[a,b]上での面積を表す定積分∫(aからbまで)f(x)dxとして定義される。
2.3 微積分学の基本定理
微分と積分は互いに逆の操作である。つまり、関数f(x)が微分可能ならば、その原始関数F(x)は∫f(x)dx+Cと表すことができ、逆に関数g(x)の原始関数が求まれば、g(x)の積分は∫g(x)dxと表すことができる。
- 力学の基礎
『プリンキピア・マテマティカ』の第3部では、力学の基礎について述べられている。力学とは、物体の運動や力学的な相互作用を研究する学問であり、現代物理学の基礎となる分野の一つである。
3.1 運動方程式
物体の運動状態を表す運動量pと力Fの関係は、F=dp/dtで表される。これを運動方程式と呼ぶ。
3.2 万有引力
万有引力とは、2つの物体の間に働く引力であり、その大きさは2つの物体の質量と距離に反比例する。つまり、F=G(m1m2)/r^2で表される。ここで、Gは万有引力定数である。
以上が、『プリンキピア・マテマティカ』で述べられている数学原理の一部である。これらの原理は、現代数学や物理学の基礎として広く用いられている。