コンピュータ代数システムとは、数式の演算をコンピュータで行うことができるソフトウェアです。数式処理システム、Symbolic Computation System、Computer Algebra System(CAS)とも呼ばれます。
コンピュータ代数システムは、数学的に複雑な問題や式を解くのに役立ちます。例えば、微積分、代数方程式、微分方程式、線形代数などの分野で広く使用されています。
代表的なコンピュータ代数システムには、以下のようなものがあります。
・Mathematica:Wolfram Research社が開発した数式処理システムで、様々な分野で使用されています。高度な計算・グラフ描画・データ解析が可能で、インタラクティブに操作することができます。
・Maple:Maplesoft社が開発したコンピュータ代数システムで、数学、工学、科学分野で用いられています。高度な解析、数値計算、可視化機能があり、広く使われています。
・Maxima:MITのウェブサイト上で公開されているコンピュータ代数システムで、GNU公開ライセンスで配布されています。高度な数式処理や数値計算、グラフ描画ができます。
・Sage:オープンソースのコンピュータ代数システムで、Pythonをベースとしています。数式処理だけでなく、統計学や暗号学などの分野でも利用されています。
これらのコンピュータ代数システムは、数式の処理速度や機能、使いやすさなどで異なります。また、各システムにはそれぞれ独自のコマンドや関数があり、学習コストがかかる場合もあります。
しかし、コンピュータ代数システムは数式の処理を自動化することができるため、数式の誤りを減らし、正確な計算結果を得ることができます。また、グラフ描画機能やシンボリックな計算ができるため、数学や理工学分野の研究や教育にも利用されています。