自然対数とは、ネイピア数 e を底とする対数のことを言う。自然対数は、物理学や工学など多くの分野で応用され、特に微積分や微分方程式などで重要な役割を持っている。
自然対数の定義式は以下の通り。
lnx=∫1xt1dt
つまり、1からxまでの積分を求めることで、eを底とする対数を求めることができる。この式は、x=eのときにlne=1となることから、eを底とする対数と呼ばれるようになった。
自然対数は、次のような性質を持っている。
- ln1=0:自然対数の底となるeの1乗は1に等しいため、自然対数の値が0となる。
- lne=1:自然対数の定義式から、x=eのときにlne=1となる。
- lnxはxが正の値を取る限り、単調増加する:自然対数の定義式から、xが増加するとt1も増加するため、lnxも増加する。
- lnxy=lnx+lny:自然対数の定義式から、lnx+lny=∫1xt1dt+∫1yt1dt=∫1xt1dt+∫xxyt1dt=∫1xyt1dt=lnxyとなる。
自然対数は、微積分や微分方程式などでよく使われる。特に、微積分の基本定理から導かれる指数関数の微分公式において、自然対数が重要な役割を担っている。また、自然対数は確率論や統計学でも頻繁に登場し、特に正規分布の導出において重要な役割を果たしている。