モンテカルロ法とは、確率的な手法の一つで、乱数を用いた数値計算手法のことである。モンテカルロ法は、何らかの問題を解決するために、ランダムな入力値を用いて膨大な数の試行を行い、その結果から答えを導き出す手法である。この手法は、計算機が存在しなかった時代には、手計算によって行われていた。
モンテカルロ法は、物理学、統計学、金融工学、コンピュータグラフィックス、機械学習などの分野で広く使われている。例えば、物理学では高次元空間上での積分計算や、分子運動シミュレーションに使用される。また、金融工学では、オプション価格の評価やリスク分析に使用される。
モンテカルロ法は、以下の手順で計算を行う。
- 入力値の範囲を決める
- 入力値の範囲からランダムに値を選択する
- 選択された入力値を問題に代入し、問題の解を計算する
- 2〜3を膨大な数の回数繰り返し、計算結果を統計的に扱うことで、問題の解を導き出す。
この手法により、正確な解を求めるのが困難な問題でも、十分な試行回数を行うことで、近似解を求めることが可能となる。ただし、試行回数が少ない場合や、ランダムに選択された値が極端な場合には、誤差が大きくなることがある。
例えば、円周率を求める問題で用いられる方法がある。単位正方形に内接する1/4の円を考える。単位正方形内にランダムに点を打ち、そのうち円内に入る確率を求めることで、円周率の近似値を求めることができる。この手法を用いる場合、試行回数を増やすことで、より高い精度で円周率を求めることができる。
モンテカルロ法は、正確な解が求められない問題に対しても、十分な計算リソースを投入することで、解を求めることができる手法である。また、並列処理が容易に行えるため、大規模な計算にも対応できる。