はさみうちの原理(法則)とは、数学的に「中間値の定理」とも呼ばれ、連続な関数において、ある区間で最大値と最小値をとる場合、その区間内のどの点でも、その値をとるという原理です。具体的には、以下のように表されます。
【定理】
f(x) を [a,b] 上の連続な実数値関数とする。このとき、f(x) は [a,b] 上で最大値 M と最小値 m をもち、c∈[a,b] に対して、f(c)=M または f(c)=m である。
この定理は、様々な分野で応用されます。例えば、経済学においては、ある商品の需要量と価格の関係を表す需要関数が連続である場合、ある価格帯で需要量が最大化することが分かります。また、物理学においては、ある時間内に一定の速度で移動する物体について、その時間内に移動した距離が最大化する場合、その瞬間の速度が一定であることが分かります。さらに、工学においては、ある材料の応力-ひずみ関係が連続である場合、その材料が破断するときの最大応力を予測することができます。
例えば、上記の定理を用いて、以下のような問題を解くことができます。
【問題】
f(x)=x3−3x+1 とする。この関数の区間 [−2,2] 上での最大値と最小値を求めよ。
【解答】
f(x) は [−2,2] 上で連続な実数値関数であるため、はさみうちの原理を適用することができます。まず、f(x) の導関数を求めます。
f′(x)=3x2−3
f′(x)=0 となる x を求めると、x=±1 となります。また、f(−2)=−7、f(2)=7 であるため、f(x) の最大値と最小値は、x=−1,1 のいずれかで取られます。従って、f(−1)=3、f(1)=−1 であり、f(x) の区間 [−2,2] 上での最大値は 3、最小値は −7 となります。