概要
ピタゴラスの定理(または三平方の定理)とは、直角三角形において、斜辺の長さをc、残りの二辺の長さをそれぞれa、bとすると、以下の式が成り立つ定理のことです。
a2+b2=c2
ピタゴラスの定理は古代ギリシャの数学者ピタゴラスによって発見されたとされています。
ピタゴラスの定理の証明
ピタゴラスの定理の証明は数多く存在しますが、ここではピタゴラス自身が用いたとされる証明を紹介します。
まず、正方形ABCDと、その内部にある四つの直角三角形を考えます。
正方形ABCDの辺の長さをa+bとします。この正方形の対角線ACの長さは辺の長さがa+bの正方形の対角線の長さであることから、2(a+b)となります。
また、四つの直角三角形のうち、斜辺がcであるものと、それ以外の三角形の残りの辺の長さをそれぞれa、bとすると、以下のように面積を計算できます。
S=21(a+b)(a+b)+21ab+21ab+21(c−a)(c−b)=21(a2+2ab+b2)+ab+21(c2−(a+b)c+ab)=21(a2+b2+c2)
一方、正方形ABCDの面積は(a+b)2であり、辺の長さがa+bの正方形の対角線の長さを2(a+b)としたことから、以下が成り立ちます。
(a+b)2=2(22(a+b))2=2⋅4(a+b)2=21(a+b)2
以上から、面積Sの式と正方形ABCDの面積(a+b)2を比べることで、以下の式が得られます。
a2+b2=c2
このほかにも、ピタゴラスの定理は複数の証明が存在するため、その美しさが際立ちます。
ピタゴラスの定理の応用
ピタゴラスの定理は、直角三角形において、二つの辺の長さが分かっている場合に残りの辺の長さを求めることができます。
また、ピタゴラスの定理を用いることで、直角三角形の外接円の半径を求めることができます。外接円の半径をr、直角三角形の斜辺の長さをcとすると、以下の式が成り立ちます。
r=2c
ピタゴラスの定理は数学だけでなく、物理学や工学などでも活用されています。